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その輸出、大丈夫!?~リチウムイオン電池~

通関の仕事をしていると、
「この貨物は輸出して問題ないのか」
「スムーズに輸出許可をもらうにはどんな情報が必要か」
など、判断に迷う場面に多々出くわします。
今回はそんな通関・・・からは少し外れるんですが、、、
船積の際にトラブルになりやすいものについてお話します。
スマートフォンやタブレットなどの携帯用端末は今や私たちの生活に欠かせないものとなっていますが、
これらのものを輸出する際は、実は注意が必要なんです。
といっても、スマートフォンなどの機器そのものが問題ではなく、問題は機器に搭載されている
リチウムイオン電池なのです。
他の電池よりも小さくてパワフル、繰り返し充電に強いなどの利点から世の中で広く利用されているリチウムイオン電池ですが、
一方でリチウムイオン電池の発火による事故も数多く報告されています。
海上輸送においてもリチウムイオン電池の取り扱いには制限が設けられており、
国際連合が定める「危険物」として扱われています。
詳しく話すと長くなってしまうので手短にお話しすると、
危険物の輸送を海上輸送業者に依頼するには、
「国際海上危険物規程」に従って
・特定の要件を満たしていることを証明する書類の準備
・規定された方法で梱包する
・梱包された貨物に規定されたラベルを貼る
など、船積前に入念な準備が必要になります。
(詳しいお話はまた別の機会に。)
2022年に発生した自動車運搬船の火災事故もリチウムイオン電池の発火が原因とされており、
被害の規模も甚大なものとなっています。
このような事態を避けるためにも、リチウムイオン電池を搭載した機器を輸出する際は、
安易に判断せず、輸送を依頼する相手と相談しながら慎重に進めることが重要です。
というわけで、今回は身近だけど実は輸送上注意が必要なリチウムイオン電池のお話でした。
これ以外にも、物によって船積の前に確認しなければいけないことが様々あります。
ブログでも個別の貨物ごとに船積み前の注意点などをお話していきますので、
気になることや不明な点があれば、お気軽に弊社スタッフにご相談ください。
名古屋営業所 柴田