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ホルムズ海峡封鎖による積戻しと「再輸入免税」について
昨今のアメリカ・イラン間の緊張に伴うホルムズ海峡の封鎖は、中東からの原油供給に深刻な影響を及ぼしています。ガソリン価格の急騰は、皆さまの生活にも直結する大きな問題です。政府による国家備蓄の放出などで一時的に価格が落ち着く場面もありましたが、今後の情勢は依然として不透明です。
こうした国際情勢の悪化は、エネルギー問題だけでなく国際貿易全体に多大な影響を与えます。今回の海峡封鎖により航路が遮断され、中東地域への輸出が困難になるケースも出ています。
実際の事例として、「輸出申告をして税関の許可が下りたにもかかわらず、船会社から積込不能の連絡が入り、貨物を船に載せられなくなった」というトラブルが発生しています。
港に貨物を放置することはできないため、こうした貨物は一度国内へ引き取る必要があります。その際、なぜ改めて「輸入申告」が必要になるのか、その理由を解説します。
※「内国貨物」と「外国貨物」の違い
まず、貿易における貨物の区分を整理しましょう。
・内国貨物(国内で自由に流通・取引できる貨物)
1.日本国内で生産・製造されたもの
2.日本国籍の漁船が公海で採捕した水産物
3.海外からの輸入品のうち、税関の輸入許可を受けたもの
・外国貨物(国内で自由に流通・取引できない貨物)
1.輸出許可を受けたもの
2.外国から日本に到着したもの
3.外国籍の船舶が公海で採捕し、日本に到着した水産物
今回の事例では、輸出許可を受けた時点で貨物は「外国貨物」へと切り替わっています。 外国貨物のままでは日本国内へ戻すことができないため、国内へ引き取る(流通させる)には、再度「輸入申告」を行う法的義務が生じるのです。
※コストを抑える「再輸入免税制度」
通常、輸入申告には関税や消費税が課されます。しかし、今回のように「輸出許可は下りたが、やむを得ない事情で船に積めず戻さざるを得ない」という場合には、「再輸入免税制度」が活用できます。
この制度は、日本から輸出した貨物を再輸入する際、原則として「輸出時と同一の性質・形状」であれば、関税および消費税が免除されるというものです。
今回は、内国貨物・外国貨物の違いと、不測の事態に役立つ「再輸入免税制度」についてお話しをしました。今後も貿易に関する知識をわかりやすくお伝えしてまいります。
ご不明な点などがあれば弊社スタッフにお気軽にお問い合わせ下さい。
名古屋営業所 王