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輸出入における知的財産権の注意点と「差止申立制度」について

輸出入における知的財産権の注意点と「差止申立制度」について

2026年3月頃、米トランプ政権がSNSで公開したイラン関連のプロパガンダ動画において、日本の人気ゲームやアニメの映像が無断使用され、知的財産権の侵害として大きな話題となりました。

以前のブログでは「知的財産権の定義」について解説しましたが、今回は実務編として、輸出入の際に知的財産権の問題が発生した場合の対応についてお話しします。

おさらいになりますが、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権を侵害する物品はすべて「知的財産侵害物品」に該当します。有名ブランドのロゴやキャラクター、商品の形状などを模倣した、いわゆる「コピー品(偽物)」はすべて規制の対象です。

※「輸入」の場合の注意点
①個人使用目的でも没収対象: 知的財産権を侵害する「誤認マーク」などが付いた物品は、たとえ個人で使う目的であっても税関での没収対象となります。

②税関による認定手続き: 税関が輸入貨物を検査し、侵害物品かどうかの審査を行います。
    ・侵害と認定された場合: 貨物は「没収・廃棄」されるか、あるいは「積戻し(発送国への返送)」を命じられます。

③「知らなかった」は通用しない: 輸入者が偽物だと知らずに買い付けた場合でも、知的財産侵害物品と判断されれば輸入許可は下りません

※「輸出」の場合の注意点
①輸出禁止: 輸入と同様に、知的財産を侵害する物品の輸出も法律で禁止されています。

②輸出差止申立: 権利者からの申立てに基づき、輸出前に税関で差し止められ、侵害の有無を確認する 認定手続きが行われることがあります。

③海外での権利保護(属地主義): ここが重要なポイントですが、知的財産権は国ごとに独立しています(属地主義)日本で取得した権利は、原則として海外では通用しません。そのため、輸出先でも権利を守るためには、その国で個別に特許や商標を取得する必要があります。

※知的財産を守る「差止申立制度(さしとめもうしたてせいど)」

この制度は、特許権や商標権を持つ権利者が、自分の権利を侵害する貨物(偽ブランド品など)の輸出入を止めるよう、税関長に申し立てる仕組みです。
この制度により、税関が水際で偽造品を認定・没収し、市場への流出を未然に防ぐことができます。

現在、どのような商品が差止申立されているかは、以下の税関公式サイトで検索可能です。
税関:知的財産侵害物品の差止申立状況(検索ページ)
https://www.customs.go.jp/searchyk/jyksv001.jsp

【今回内容のまとめ】
知的財産侵害物品は、輸出入ともに原則不可です。

輸入の場合: 廃棄処分、または輸出国への返送
輸出の場合: 権利侵害品の輸出は不可。また、海外で自社ブランドを守るには、その国での権利取得が不可欠

対策: 税関の「差止申立制度」を活用することで、侵害物品の流通を効果的に取り締まることが可能です。

今回は、知的財産権と「差止申立制度」の実務についてお話ししました。今後も貿易に関する知識をわかりやすくお伝えしてまいります。

ご不明な点などがございましたら、弊社スタッフまでお気軽にお問い合わせください。

名古屋営業所 王